松濤館流 空手の基本形『平安初段』とは?|初心者向けチェックポイント一覧

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松濤館流 空手の基本形『平安初段』とは?|初心者向けチェックポイント一覧

松濤館流(Shotokan)の空手において、初心者が最初に学ぶ形として広く知られているのが「平安初段(Heian Shodan)」です。本記事では、主に小学生~中学生を対象とした指導において重要な動作や立ち方、手の使い方、審査で評価されるポイントをわかりやすくまとめました。

平安初段とは?

「平安初段」は、松濤館流における基本形(かた)のひとつで、空手の動作の基礎となる動きが詰まっています。「太極初段」も一部で使われますが、多くの道場では「平安初段」から学習をスタートします。

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【一覧表】平安初段の動作とチェックポイント

以下の表では、各動作の名称・立ち方・手の動きに加えて、審査や指導時に重視されるチェックポイントをまとめています。初心者指導や審査直前の確認に役立ててください。

挙動 立ち方 よくあるpoint
結び立ち 両手は横 背筋を伸ばす
用意 八字立ち 両拳大腿前 息を吐きながら
1 左前屈立ち 左下段払い 半身。膝と拳の間は拳2個分
移動 すり足。真ん中を経由。 頭の高さを変えない。
2 右前屈立ち 右中段順突き おへそまっすぐ
回転 左足踵を軸に回転 頭の高さを変えない。
3 右前屈立ち 右下段払い 半身。膝と拳の間は拳2個分
4 右前屈立ち 右拳槌縦回し打ち 右拳は肩の高さ
5 左前屈立ち 左中段順突き
回転 右足踵を軸に回転 頭の高さを変えない。
6 左前屈立ち 左下段払い 半身。膝と拳の間は拳2個分
7 右前屈立ち 揚受 半身。額から拳1つあける
8 左前屈立ち 揚受 半身。額から拳1つあける
9 右前屈立ち 揚受 半身。気合い
回転 左足踵を軸に回転 頭の高さを変えない。
10 左前屈立ち 左下段払い 半身。膝と拳の間は拳2個分
11 右前屈立ち 右中段順突き おへそまっすぐ
回転 左足踵を軸に回転 頭の高さを変えない。
12 右前屈立ち 右下段払い 半身。膝と拳の間は拳2個分
13 左前屈立ち 左中段順突き おへそまっすぐ
回転 右足踵を軸に回転 頭の高さを変えない。
14 左前屈立ち 左下段払い 半身。膝と拳の間は拳2個分
15 右前屈立ち 右中段順突き おへそまっすぐ
16 左前屈立ち 左中段順突き おへそまっすぐ
17 右前屈立ち 右中段順突き おへそまっすぐ 気合い
回転 右足踵を軸に回転 頭の高さを変えない。
18 右後屈立ち 左手刀中段受け 右手伸ばしてから腹へ。左右親指曲げる。左手は顔横から斜め左下に向かって受け。
19 左後屈立ち 右手刀中段受け
20 左後屈立ち 右手刀中段受け
21 右後屈立ち 左手刀中段受け
直って 八字立ち 両拳大腿前 息を吐きながら
結び立ち 両手は横 背筋を伸ばす

審査を受ける方へのアドバイス

  • 動作ごとの「高さの維持」に注意。頭の高さが変わらないように意識しましょう。
  • 「半身の姿勢」や「拳と膝の距離」など、細かい型の基本が採点対象です。
  • 最後の突きや受けには「気合い(発声)」を忘れずに。

参考動画|平安初段の模範演武(全空連)

この記事の調査・執筆者について

調査・執筆:河合聡志
2019年より世田谷区空手道連盟事務局長。Googleの無料サービスを活用し、空手大会の集計から発表までをデジタルで完結させる仕組みを構築。2025年以降はAIを活用したデータ整理の省力化を模索。

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